第70章:戦艦フリーセル
―3001年 4月8日 午前9時53分 トランプ人間製造室―
「ぐあああああ!!」
マシュマは悲痛な叫びをあげた。スキンヘッドはしっかりとマシュマの首筋にかみついていた。
「テメェ!!」
リクヤは拳銃を取り出してぶっ放した。弾丸はスキンヘッドの頭を撃ち抜いたが、すぐに修復された。
「あっ、そうか…修復できんのか…!」
「コイツにはこれでしょう。」
僕は火炎放射器の引き金を引いた。
―ぼおおおおおおおおおおお!!
すごい勢いで炎が発射された。
「ウオオオオオオ!!」
スキンヘッドはようやく離れ、燃えながらのたうちまわった。
「くたばれ!」
―バシュッ!
リクヤが巨剣でスキンヘッドの顔を粉砕した。さすがに修復はしなかった。
「…っつつ…なんて反抗的な子供だ!」
マシュマは怒り顔でそう言った。子供じゃないですよ。
「多分、ボスの言うことしか聞かないんスよ。ほらここ…これ、ネシでしょ?」
クリスが機械から写真を取り出した。ネシの顔写真だ。なるほど、それをトランプ人間の思考回路にインプットしたのか。
「なんにせよ助かったぜ、レッキ、リクヤ!さすがは俺の部下!」
マシュマは笑顔でそう言った。首筋からは赤い血が流れていた。意外である。
「ペロ…イチゴシロップですの!」
「!?…そうなんだ…。」
ミサと僕は仰天した。僕の場合は、ミサがマシュマの体液を舐めたことに対して仰天したのでございます。
「マシャマシャ、よくわかったな。マシュマロ人間の体液は大抵が“かき氷のシロップ”なのだ!何故かって?みんな甘えん坊だからだ!」
なるほど、甘えん坊なだけに流れる体液も甘いんだね!て、バカ。
「俺だけに甘酸っぱいイチゴ味!何故かって?俺の人生は甘酸っぱい青春ばかりだったからだ!」
知るか。
「へぇ~、じゃあちょっぴり苦い経験をしてれば宇治金時風味になるんスね?」
のるなよクリス。
「まあこれで、ここがトランプの連中のアジトだと発覚したわけだな。」
リクヤはタバコに火をつけた。…何本目だよ。
「ふん、こんな物騒な機械、ブッ壊してやるぜ。」
そう言うとリクヤは、片手でヒョイと散弾銃を向けた。
―ズダンッ!ダンッ!
二発で機械は粉々になってしまった。
「その散弾銃、並の威力じゃありませんね。僕に見せてくださいよ。」
若干興奮しつつ僕はリクヤの散弾銃に手を伸ばした。
「やかましい!触るな!」
ケチ。
「じゃあ移動するぞ。今の音で敵に感づかれた恐れがある。俺だけにな。」
マシュマはそう言うと走り出した。いつのまにやら傷口もふさがっている。
「待って…」
ミサが突然耳をすませはじめた。
「あん?どうしたミサ?」
マシュマが短い足をとめる。
「き、狂気が…渦巻く…」
ミサの目の色が変わった。
「…アルテマの力…か。」
僕は思わずつぶやいた。
「ア、アルテマだと!?」
リクヤはタバコをポトリと落とした。
「蒼の騎士団は…ミサが生まれつき体内に持った力・アルテマ(狂気感知・狂気浄化能力)をほとんど“デストロイヤー”に取り込ませたらしいのです。何故かはわかりませんが、ミサにはその力が残っているようです。」
昨日コンサート会場で見せた力もそうだ。リクヤは力づくでその理論を理解したようだ。
「お、おう、そうか。…で、今それが反応してんだろ?何があるってんだ?」
僕がその質問に答えようとしたところ、ミサが突然口を開いた。
「…敵が近くにまだいる。」
その言葉に対し、クリスは不思議そうな顔をしてこう言いだした。
「そりゃあそうじゃないスか。ここは敵のアジト―」
「違う!」
ミサが叫んだ。おっとりしたあの喋り方じゃない。
「ここはアジト…でも、本当のアジトはここにあるわけじゃない…」
「はあ?」
一同がそう言った時、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
建物全体が揺れはじめた。
「うっひゃあ!」
クリスはすっ転んだ。
「わ!わ!」
リクヤは何かに掴まろうとして、僕に抱きついた。
「はうぁ。」
―ブンッ!
「みぎゃお!」
条件反射によりリクヤを投げ飛ばしてしまう。
「あ…すいません。」
「な、何しやがる!!」
しょうがないじゃん、くさいもん。リクヤはそのまま近くの壁に激突してしまった。
頭上には、鋭いナイフが飾られていた。ナイフはずり落ち、
―ザクッ!
それはリクヤの頭に命中しました。
「おぎゃあああああ!!」
ごごごごごごごごご…
しかしすごい揺れだな。
「ただの…地震じゃなさそうだ。」
マシュマが険しい顔を浮かべて上を見上げている。
「ひえええ!」
ミサは今にもすっ転びそうだ。
「僕かマシュマさんにつかまりなさい。」
ミサはまっすぐに僕に抱きついた。
「マッシャマシャ!俺だけにもてないな。この色男。」
何故だ!!!!?
「お、おい!あれを見ろ!」
リクヤは自分の目の前を指差した。
「何…?」
僕は思わず声をもらした。
―ずずずずずずず…
壁が下へ降りていく。ていうか、この地盤が上に動いているんだ。
「ど、どどどどどど…。」
クリスは引きつっていた。『どうなってるんスか!?』と言いたいらしい。
「リクヤ、クリス、俺の腕だけにつかまれ!」
マシュマは中央の機械に足でしがみついたまま、両腕を伸ばした。
「おりゃっ!」
「ベタじゃねえな!」
リクヤとクリスはそれぞれの腕を掴んだ。
―ずがががっ…
何かを擦るような音がして、周囲が地上へと変わる。
「そ、そんな、“上がってる”…!!」
ミサがキョロキョロと辺りを見回している。
「下水道にアジトをめり込ませていたのか…敵ながらあっぱれだ!俺だけに!!」
「言ってる場合ですか…」
僕らは、巨大な戦艦の昇降機に乗っているらしい。
―午前10時00分 港―
「な、なんだってんだ!?」
ドレッドは空に浮かぶ戦艦を見つめていた。ちょうど…二階層があった場所が崩れ落ち、戦艦となって浮かび上がっていたのだ。
下から見ると、まるでイチョウの葉っぱみたいな形状の戦艦だ。まるで“何か別のもの”に“合体”しそうな戦艦だった…。
二階層のあった場所はキレイサッパリなくなっている。無惨なもんだ。
「ギィギィ、あれは天の柱を作った人間が密かに作っていた戦艦・ソリティアギィ!」
ドルダムが縦に飛び跳ねながら叫んだ。
「ソリティアは、我らトランプ戦団の基地である、戦艦フリーセルと合体するのだキィ!」
ドルディはドルダムとは対照的に横に飛び跳ねている。
「とんでもねえ組織に喧嘩売っちまったかもな…。」
ドレッドは数秒間後悔していた。
「だがそれがどうした!俺達は国家機関だ。悪いやつらは即刻処罰!それが正義だ!」
十手を振り回しながらドレッドはドルダムに向かって走り出した。
「うおおおおおおお!!」
しかし、十手は簡単に回避される。
「蝿が止まってしまうギィ!」
「ノロすぎて蝿も止まれないキィ!」
ドルダムが斧を振り下ろす。
「俺ドッグ・ケルベロス!」
ドレッドの口が巨大化し、斧をかみ砕く。
「うぎゃあギィ!」
ドルダムは飛びのく。
「どうした卵人間。ビビるのが遅すぎたんじゃねーの!?」
―午前10時3分 ソリティア 昇降機―
「昇降機なのに…こんな機械があるんだな。」
マシュマはトランプ人間製造機を撫でた。
「…そこッスか…?」
そこらしい。
「あ、昇降機が動き出したぞ!」
リクヤは拳銃を構えた。
「テメェら油断すんなよ!」
「わかってますよ。」
僕はそう言いながらリクヤの腰から散弾銃を抜き取った。
「あっ!てめっ!」
「ちょっと貸してください。」
―ジャコッ!
ふむ、これはいい。
「中に入るぞ…」
マシュマが静かにつぶやいた。
―午前10時5分 ソリティア 内部―
「静かだね…」
ミサがつぶやいた。
「シッ!」
僕はそっとミサの口を押さえた。昇降機の周りにはチューブが入り混じり、ドラム缶も二・三個並べられていた。ガソリン臭い…。リクヤもくさい。
天井には古い蛍光灯が弱々しい光を放っていた。
『誰かいるッス…』
クリスが身振り手振りで奥を指差した。紫色の髪の男だ。頭にはまるで猫の耳のようなとんがりが生やしてある。不気味な笑みだ。
「テメェはあん時の!…誰だっけ!」
リクヤが叫んだ。
「あぁー、あの時の、えー…誰だ!」
マシュマも思い出したようにそう言った。
「おぉ、あの時のね…えと、誰!」
クリスもそう言った。
「あの猫耳のおじさんですの!誰でしたっけ!」
ミサもそう言った。
「…誰!」
僕もそう言った。
「“チェシャ”だ!馬鹿!」
馬鹿って言われてもうた。
「俺達トランプ戦団のアジトBに乗り込んでくるとはいい度胸してんじゃねえか!」
アジト…B?
「なんだ?アジトAでもあんのかよ?」
マシュマが目を見開いた。
「ニヤァ、お前ら何も知らずにここに来たんだな?俺達トランプ戦団は、元々“戦艦フリーセル”という戦艦を使って活動してきた。だが、数十年前にここ、ルシラ・ナ・トエリアにて素晴らしいものを見つけた。そう、“戦艦ソリティア”だ!かなーり昔にてネシ様が発見しなすったこの戦艦。精密に調べ上げた結果、元々別の戦艦にくっついていたものの一部だったらしいのだ。ネシ様はその結合部分を調べ、我らの戦艦フリーセルに、戦艦ソリティアと合体するための結合パーツを装着してしまったのだ!」
や、ややこしい…。
だが、この戦艦がトランプ戦団の戦艦に合体することだけはわかった。ミサだけはイマイチ理解できなかったのか、頭から煙が出ていた。
それにしても秘密をベラベラ話すヤツである。
「ニヤァ、これは秘密だということ忘れてた…今日の今日まで待ち望んだ日がやってきたというのに、貴様ら国家機関はことごとく邪魔をしてきた。何をしようと無駄だというのに…早速だが、ネシの元まで来てもらうぞ!」
チェシャはそう言うとずかずかと近寄ってきた。
「来るな!」
リクヤは拳銃を向けた。
「俺がそんなんで死ぬと思ったか?知ってるぜ、俺は死なないぞ!最上陸也!」
チェシャはニヤリと笑みを浮かべ、拳銃を軽くひんまげてしまった。
「な、なにぃ!?」
リクヤは素っ頓狂な声をあげた。
「十戒斬り!」
クリスが暗器を縦に振りおろした。
「知ったぞ、ただの斬撃だな。」
チェシャは右腕を軽く横に振った。斬撃は消え去ってしまう。
「えぇー!?」
「どけ、二人共!」
ここは僕が…!!
「超・神打―」
「知った、それが神技か。」
チェシャは僕の両腕を掴んでしまう。
「ニヤァ…俺の前で技を繰り出すことは不可能だ。」
どうなってる!?コイツ、先を読んで…!!
「魔素摩呂拳・鼈甲刀(べっこうとう)!!」
マシュマが後ろから回り込み、右腕を振り上げていた。
「知ったぜ、ただの剣撃攻撃だろ?」
チェシャは振り下ろされる剣を軽く身をそらして回避した。
「手を離しましたね?激震打!」
すぐ真後ろで僕は神技を発動した。
「波動を拳に込める力か!」
チェシャは宙に飛びあがった。空振りしてしまう。
「心が読めるのか!?アイツ…」
リクヤの言葉にチェシャは嬉しそうに笑い出した。
「違うな…俺の能力は“オールノウハウ”戦う相手の能力を戦わずして学習する能力だ。」
チェシャはそう言うと、胸元に刻まれた能力紋を見せつけた。
「“能力学習”か…よかったぜ、あんなのに心を読まれるなんて嫌ッス。」
クリスは笑みを浮かべた。同感です。
「そりゃあよかったな。でもな、能力を全て読まれているのは嫌なもんだぜ。全部知っているのだ。お前らの力の全てを。生まれたときの初期能力値も、弱点も、そして、お前らの力の最終形態ですらも、全て、俺は知ってしまえるのだ。なんせ俺は知恵者だからな。」
…ちょっと嫌だな。
「戦う術がないかもしれねえな…。」
リクヤは眉間にしわを寄せる。
「だったら、避けようのない技を繰り出せばいいんだよ!」
マシュマはチェシャに向かって両腕を突き出した。
「呼惡李座頭!」
マシュマは高速でパンチを繰り出した。
「ニヤァ!それがどうしたぁ!」
なんと、全て回避している。チェシャは猫のような身のこなしでどんどんマシュマに近付いていく。
「パンドラの一角、いただくぜェ!」
「マシャ…そうはいくか。」
マシュマは笑みを浮かべた。
「カラメルブラスト!」
チェシャが目前まで来たところでマシュマは金色の光線を発射した。あ…甘い匂い…。
「うぎゃああああ!」
チェシャは暗闇に包まれる奥の通路まで吹き飛ばされた。
「知ったとしても、目前で放たれたら回避できねえだろ。あまかったな、俺だけに。」
マシュマはチェシャのような笑みを浮かべた。お見事。
「さあ行くぞ!みんなを助けに行こう!」
頼れすぎる。マシュマ・スゥイーティー。
―午前10時8分 戦艦フリーセル 無線室―
「何…?戦艦ソリティアに侵入者?」
ジャックは薄暗い無線室で無線をとっていた。モニターにはしっかりとレッキ達が映っていた。
「愚か者め、何をしているのだ。早く捕らえよ。」
ジャックは無線を強引に断ち切った。
「…ネシ様に顔向けできんな…」
ジャックは眉間に少ししわを寄せた。
「ジャックさん、ネシ様がお呼びですよ。」
スペードが無線室に入りながらそう言ってきた。
「御意。」
―シュバッ!
ジャックは風を切り、消え去った。
「やれやれ、あそこまで忠実なのはジャックだけでしょうな…」
スペードは薄気味悪い笑みを浮かべながらモニターのレッキを見た。
「あの“金髪に青い眼”…どこかで見たことがありますなあ…」
―午前10時8分 食事室―
「さあ、遠慮なくお食べください、アリス様。」
ネシは笑みを浮かべつつ、赤ワインの入った瓶を運んできた。
「…。」
アリスはまだ真っ青な顔をしていた。目の前に運ばれた料理は、フォアグラのソテーにエスカルゴのクリームソース和えといった、おいしそうな料理ばかりだった。でも、食べる気になれない。
「ふふ、無理もないでしょう…今まで自分が信頼してきた人間に騙されてきたのですから。」
コポポ…ワイングラスに静かにワインを注ぐネシ。
「…ネシ。」
アリスは唇をかみしめてそう言った。
「…何でしょうか?アリス様。」
「あなたは何故私の護衛隊長の“ふり”をしていたのです?」
「それは…実によい質問ですね。」
ネシは自分の席に座りこんだ。
「私はあなたがた、トエリア一族の念波唱歌に散々苦しめられてきました。今回、隙をついてあなたを拉致できたことは私にとって最大の功績なのです。ずっと、ずっとこの時を待っていたのです。このためにあなたの護衛隊長になりすました甲斐がありましたよ。ふふふ…」
「話が見えてこないわ。我ら一族が悪を懲らしめるのは当たり前のことよ。」
「ふふ、私はその念波唱歌を活用させてもらおうと考えたのです。」
ネシがそう言った時、
―シュバッ!
ジャックがネシの背後に現れた。
「お呼びでしょうか、ネシ様。」
「ジャック、アリス様に“アレ”を見せてやりなさい。」
「御意。」
ジャックは素早く真横の柱を触った。瞬時に、巨大なモニターが現れた。
―ヴン…
モニターに映されたのは複数のスピーカーであった。
「これはあなたの念波唱歌の力を増加させられるスピーカーです。」
ネシはワインを飲みながら説明した。
「私はあなた方の念波唱歌の全てを知っております。悪の心を持つ人間を苦しめる曲もあれば、敵味方区別なく完全破壊する曲もあるということをね。」
アリスは青ざめた。
「“ストラ・バスタ(抹消の唄)”…!!何故それを…!!」
「簡単です、私の部下には“人間を見ただけで能力の全てを理解できる者”がいるということです。」
ネシがそう言うと、
「ヤツ(チェシャ)の唯一の活躍だ。」
背後のジャックが薄気味悪い笑みを浮かべた。
「そ…その曲を歌ってなんになるというのですか!?あなた方も苦しむことになるのですよ!?」
「心外ですねえ、何もこの曲で国家機関を破滅させるわけではないのですよ…」
ネシはゆっくりと立ち上がると、すぐよこに取り付けられていた窓を開いた。天の柱がそびえたっているのが見える。
ネシはそのそびえ立つ柱を指差し、
「ちょっと…“アレ”を破壊してもらおうと思いましてね。」
そう言った。
―午前10時10分 ソリティア 通路―
しかし薄暗いな。僕は懐に隠していたライターに火をつけた。
翼を広げた鷹の絵が刻まれた銀色のライターである。
「なんだよ、いいライター持ってんじゃねえか。」
リクヤが笑みを浮かべつつ顔を向けた。
「俺はライターをコレクションしてるんだ。そのロゴのライターは全種類俺の部屋にあるんだぜ。」
聞いてない。
「お前はタバコを吸うヤツだったのか?」
「違いますよ…師匠がパイプをくわえる時には、僕が火付け役でしたから。」
懐かしい。幼い頃に何度もこの役柄が活躍した。
「シークの野郎、弟子に何をさせてやがる。」
マシュマは呆れながらそう言った。
「いいんです。僕を助けてくれたお礼も兼ねてるのですから。」
「マシャッ、優しい弟子だな、シークも幸せだ。」
それはいいが、ライターの火で照らしたのにも関わらず、奥は何も見えない。
「ランプはさっきの場所だけだったんスね。」
クリスが僕に顔を向けながらそう言った。その表情には少し興奮が感じられる。
「どうしたんですの?」
ミサが聞いた。
「これこそアドベンチャーッス!自分はこういうのに憧れてたんスよ。まさに漢の武勇道!わかりますよね?レッキさん!」
わかるか。
「明かりが見えるぞ。」
マシュマは目を見開いて指差した。通路の突き当たりが白く輝いた。
「あれは扉か何かが開いたんですね。行ってみましょう。」
一行はその明かりに向かって走り出した。
第71章へ続く